50代・60代はもう遅くない──“70歳までが資産形成期”という新常識

50代からの生存戦略

🌸 「もう遅い」という思い込みを捨てる:50代・60代はリカバリーチャンス

50代は、人生の折り返し地点であり、キャリアや収入のピークを迎える一方で、「老後まで時間がない」という焦りを感じやすい時期です。特に氷河期世代は、この焦りから「資産形成はもう手遅れだ」と思い込みがちです 。

しかし、その思い込みは完全な誤解です 。今、私たちを取り巻く環境は大きく変化しており、資産形成の「常識」もアップデートされています。

■ 結論:氷河期世代にとって、資産形成の本番は50代〜です 。

🌟 制度の追い風:50代・60代を「資産形成の本番」にする3つの理由

かつての「60歳定年でリタイア」という常識は崩れつつあります。現在の50代・60代こそ、人生で最もリカバリーしやすい時期であり、制度の追い風が強く吹いています 。

1. 就業期間の長期化:70歳まで働くのが当たり前の時代へ

少子高齢化に伴い、国や企業の制度は「長く働く」方向へとシフトしています。就業は70歳までが当たり前になりつつあり、これにより資産形成期間が実質的に延長されました 。50代からでも20年近くの資産形成期間を確保できることになります。

2. 年金繰下げ受給で最大42%増額が可能に

公的年金は、受給開始を遅らせる「繰下げ受給」を選択することで、増額できます。70歳まで繰り下げると年金額は最大42%増えます。60歳以降も働き続け、その収入で生活費を賄い、年金の受給開始を遅らせる(年金を育てる)ことが可能になります 。これにより、生涯にわたる年金収入のベースを大きく引き上げることができます。

3. iDeCoの加入可能年齢が70歳未満まで延長予定

老後資金を準備するための強力な税制優遇制度であるiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入可能年齢が、70歳未満まで延長される予定です 。これにより、50代からでもより長く iDeCo の節税メリット(掛金が全額所得控除になる)を享受しながら資産形成を続けられるようになります。

📈 50代・60代の資産形成戦略:働く期間を「守りの運用期間」に変える

資産形成において、運用期間の長さは大きな武器となります。

1. 60代の収入で「現役時代の資産」を守る

60歳以降も働き続けることで得た収入を生活費に充てる戦略は、非常に強力です。これにより、50代までに築いた資産や退職金に手を付けず、さらに運用を続けることができます。

2. 年齢に合わせたポートフォリオの見直し

運用期間が長期になったことで、ある程度のリスクを取った運用(株式など)を継続することも可能です。ただし、60代後半など、取り崩し時期が近づいたら、元本確保型商品や債券の比率を高めるなど、年齢に応じたリスク管理を行うことが重要です。

追い風に乗るための注意点とリスク管理

制度の追い風を最大限活用することが鍵ですが 、いくつかの注意点もあります。

・制度改正は「予定」であり確定ではない

iDeCoの加入年齢延長など、制度改正の中には「予定」であり確定ではないものがあります 。最新の情報を常に確認し、計画を修正できるようにしておきましょう。

・健康状態により働けないケースがある

70歳まで働くことを前提にする場合、健康状態が重要な要素となります 。日頃から健康管理に努めること、また、万が一働けなくなった場合に備えて医療保険や生活防衛資金を準備しておくことが大切です。

・離職リスクが高い場合は生活防衛資金が優先

特に50代以降は、再就職までの期間が長くなる傾向があります 。離職リスクが高いと感じる場合は、投資やiDeCoよりも先に、まずは生活防衛資金(生活費の3〜6か月分)の確保を優先してください 。土台となる資金がなければ、安心して制度の追い風に乗ることはできません。

まとめ

「50代はもう遅い」という思い込みは捨ててください。

50代・60代は、人生で最もリカバリーしやすい時期です 。就業期間の長期化や年金繰り下げなどの制度の追い風を最大限活用することで、老後資金に対する不安は大きく軽減できます。

今こそ、資産形成の本番と捉え、行動を起こしましょう。

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